「唐木仏壇を造る」P1


    お仏壇の原材料

ジャングル内の柿の原木(写真上)

唐木材の原産地   
。黒丹(エボニィ)インドネシアのセレベス島
。本紫檀(パユン)ラオス・カンボジア産 
。テチガイ紫檀(チンチャン) 〃   
。バォロッサはタンザニア・モザンビーク産
。柿・黄王丹はメキシコ南部産
。唐木(黒丹・紫丹)が成木には200年以上

本紫丹の原木(写真上)


ジャングル内の黄王丹の原木(写真上)

唐木材の製材と乾燥

。黒丹・紫檀・柿等の唐木材や和木は、木材業者より良材を選別して仕入

。黒丹・紫丹などは専門の製材工場で製材する
(唐木は7oと15o厚、セピターは各寸)
。これらの木材類は製材後に防虫加工する。


セピター材(写真上)
 



当社工場敷地内で自然乾燥中の唐木材(黒丹・本紫檀・柿・黄王丹)


長期の自然乾燥                      
。製材後は当社工場で長期の自然乾燥(写真左)

。仏壇用材(唐木・和木)の産出国は赤道直下が多く、これらの国は政情不安定で安定供給が望めず、仏壇メーカーは木材類の備蓄が必要。

。さらに長期の自然乾燥が必要で、備蓄と併せ多くの原材料を持つ敷地・資金・手間が必要。                     
。自然乾燥場で材を風雨に打たせる事により、木のアク(樹液)や塩分を洗い流し、材料のソリや金具類の錆びもなくす(写真左)


黒丹・本紫丹・セピター等を省エネ型人工乾燥機に入れる(写真上)
 


人工乾燥工程

。自然乾燥場では、雨量の少ない時期は消防車で大量散水、材のアク(樹液)を洗い流す。

。自然乾燥後は人工乾燥機で3〜7日間ゆっくり乾燥。その後は倉庫内で1ヶ月以上養生する。

。人工乾燥の最初の工程「蒸し工程」は燃費がかさむが、これは材の「アク取り」の大事な工程で、時間と燃費をかけ乾燥する(写真左)

。「蒸し工程」は高温・高湿度なので、「防虫加工」と併せて二重の防虫となり、完璧に防虫。
人工乾燥機は省エネ型自動乾燥機の防音タイプ

良品は良材から
 

 

「唐木仏壇を造る」P2


      若き職人達


大戸・戸板用材をリップソー機で小割り加工(写真上、右)


小割工程

。養生後の唐木材は工場に投入、6o厚にプレナー加工し部材の厚さを揃える。

。上材は戸板・中材は台笠、下材は組子に利用。

。黒丹・紫檀などの唐木材・和木材をリップソー機で小割加工、必要寸法に裁断する(写真左)

。小割後の唐木・和木材は、再び桟入れし1〜2週間養生する(写真左下)

。材を桟入れし度々「養生」する事により、材のソリ・イバリを無くし製品クレームを無くす。 



戸・障子のトメボソ加工(自動留メホソ機)
留め接着面積が広く、次に高周波機でプレス・加熱乾燥で強度向上


養生工程         

。自然乾燥1〜2年・人工乾燥3〜7日間・材料倉庫で1ヶ月以上養生(写真下)
。工場は小割り後を2週間・唐木練り後1〜2週間・材を「桟入れ養生」クレームをなくする


5軸モルダー機で各種の軸用部材を木造り加工(写真上)
 

木造工程       

。お仏壇の木地用の材料を取るため、各種の木取用機械を使用、各種の部材寸法に裁断、木地へ供給(写真左)

。各種木工機械の木屑を大型集塵機(100HP)で集塵、塗装室へのゴミを少なくし品質と作業環境向上。
             
地球に優しい接着剤

「TXフリー」合板・塗料を使用。人体に安全
(アレルギー体質の人には切実な問題だった)
 


7軸モルダー機で大戸・障子の軸を木造り加工(写真上)
 

木取仕上工程         
              
。多品種少量生産対応のため各機械にデジタル表示器を取付、段取り時間を短縮し生産性向上。

。自動化・半自動化・デジタル表示化された最新の省力化機械設備を導入。若い技術人集団が、これらを使いこなす。
(7軸モルダー機・デジタル表示取付・など)

。高精度機械を導入し加工精度を向上させ、後工程の手研磨作業を省力化する。


良品は良き人財から
 

 

「唐木仏壇を造る」P3


     職人達と最新鋭機


 トメボソ機で大戸枠・障子枠の自動トメ切りホゾ加工(写真上)


木地加工工程

。トメボソ機で大戸枠・障子枠の留切加工。自動機のため他の作業か同時にできる。デジタル表示器で段取り替えも早い(写真左)




。高周波接着乾燥機で大戸枠を組立加工中。(写真上)


高周波機で大戸・障子軸の枠組用にボンド付(写真上)


木地加工工程
        
。大戸や障子の枠組を、高周波機で1分でプレス接着・乾燥できる。強度もあり次工程へ直ぐに回せる。普通ボンドでの乾燥は翌日(写真上)
         
。高精度機械を導入・加工精度向上で後工程の手研磨作業を減らせる。

。コンピユーター制御のNCルーター機で、大戸板のホテ面加工、戸障子の隅丸を自動加工する。
(写真左)

良品は良き設備から


ベルトサンダー機で大戸・障子軸や曲面も木地研磨(写真上)
 


木地研磨工程
        
。木地部材の平面はワイドサンダー機で研磨。荒いのから細かいペーパーへ順に掛ける。
(写真右)

。平面はスポンジ・ワイドサンダー機でソフトに研磨、手研磨と同じ綺麗な仕上りになる。 



。Hサンダー機・エアサンダー機で木地研磨中(写真上)
  
     良品は良き心掛けから
 


手研磨工程

。小型研磨機で小さい部材を研磨。

。機械で研磨できない部材は手作業、又は小型のエアサンダー機で研磨。




。お仏壇の木地の最終工程である仕上げ研磨は、女性の「細やかで丁寧」に仕上げられる。
 

 

「唐木仏壇を造る」P4


     技を極めた職人達


スプレーガンで下塗り塗装中(写真上)


下塗り工程

。塗装の第一工程は仏壇木地の着色(染色)行程で、刷毛塗りで手作業で染色作業を行う。

。次に ベンチュリー塗装ブースを使いスプレーガンで下塗り塗装する。(写真左)
。下塗り前の木地部材(写真上)


温度・湿度をエアコンで一定の乾燥室内で部材の乾燥(写真上)  


乾燥工程
             
。下塗り塗装された部材を乾燥室内で乾燥する。

。塗料の痩せ等の塗装不良防止のため、夏冬問わず温度・湿度をエアコンで一年中一定に保ち、時間を掛けゆっくり乾燥をする(写真左)

。「TXフリー」仕様の地球に優しい塗料・合板・接着剤その他を使用。

。ホームアルデヒド等の人体に有毒なものは使用せず社員も安心。公害防止の効果にも。
(アレルギー体質の人には切実な問題だった)

良品は良き塗料から


 


研磨工程
             
。下塗り乾燥後の各部材を、平面はスポンジワイドサンダー機て機械研磨する。

。曲面はインバーター付ベルトサンダー機で研磨、小さな部材類はハンドサンダー機や手作業で研磨作業を行う。

。塗装研磨室内はゴミが出ないように、換気扇や作業台に集塵配管している。(写真左)



中塗り工程                
。何度も「塗っては磨き」された仏壇部材を、スプレーガンで中塗り塗装する。(写真左)

TX対策・公害防止設備

。平成15年7月建築基準法が改正され。住宅建設用材はTXフリーの塗料・合板・接着剤・他の「地球に優しい」素材使用を義務付け。

。塗装のベンチュリーブースは塗料の95%を回収する公害防止機で、各工程に設備している。

中塗り 塗装中(写真左)
 

 

「唐木仏壇を造る」P5


    職人とQC(品質管理)活動



組立工程        

。中塗り乾燥室内で温度・湿度をエアコンで一定に保ち、12時間以上乾燥された部材類を、最終の組立を行う。

。各小売店からの特別仕様・改造の要望に基づき、1本ずつ最終の組立をする。(写真左)


        最終の仕上げ塗装中(写真上)


仕上げ塗り工程

。組立てられた仏壇を、1本ずつ色調整を行い最終の仕上げ塗装をする。(写真左)

。仕上げ塗装室は他からゴミか入らないよう、完全に密閉されている。

。塗装ブースで排気される空気量だけを、加圧給気ファンで空気フィルターを通して。

。仕上げ塗装された後は、乾燥室内で24時間以上乾燥されたのち、検品・梱包室へ送る。

。仕上げ乾燥室は温度・湿度を一定に保つためエアコンを一日24時間年中無休運転。


    検品・梱包工程(写真上)


検品・梱包工程                             
。最も重要な最後の検品・梱包工程。

。仏壇本体に小物部品(ネコ戸・地袋戸・コーラン台・引出・繕引・その他)を取付る。

。最後に一品ずつ検品し、梱包する。

。改造仕様の場合は、改造仕様書と現物の内容を、伝票と照合し検品・チェックする。

良品は良き技術から


  パソコンで生産・仕入・外注管理(CAD・CAM)
 


生産管理 QC(品質管理)活動

。パソコンを使い外注部材や仕入部材の納期・品質・コスト管理、工場の生産管理をする。
             
。製品のCAD図面・NC機のプログラム作成。

。新製品・製品改造・その他のCAD図面作成

。多品種少量生産・短納期・見込み生産体制。

良品は良き管理から