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仏壇は家庭での寺院 西洋人は、われわれが日曜日にお寺詣りをしないのを見て、信仰心がないといっているが、日曜日に寺参りをする代わりに朝夕、家の中の仏壇に手を合わせている。 このことを彼らはよく知らない。東南アジアの仏教国でも、各家庭には仏壇があって、毎日お香や華を手向けている。仏壇はもともと自分の信仰する仏を祀ったところであって、わが国では白鳳時代に天武天皇が「各家に仏舎を設けて仏、経文を紀り、三宝を供養せよ」という勅を出されて以来貴族たちはこぞって持仏堂をたて、一般民衆は念持仏を肌身離さず持ったのである。 この貴族の持仏堂が家の中に入って仏間となり時代を経るにしたがって、一般民衆の家にも普及して、仏壇となり居間の一隅に置かれるようになったのである。 仏壇は宗派や家によってその規模や構造に違いがあるが、一般に関東以北では唐木製の地味なものが多く、関西以西では金箔付の豪華なものが多いといわれている。内部には本尊仏か祖師の彫像を中央に祀り、またその画像や名号などを揚げるところもある。 位牌はその前下や左右に祀る。花立て、ローソク立てと線香立ての三つを一組にして三つ具足と呼んでいるが、線香立てを中心に、花は向って左、ローソク立ては右に置くようになっている。 ホトケの命日が五十年の年忌がすぎると「先祖にかえる」といって、仏壇から位牌をとり除き、先祖の一霊として祀るところもある。 |
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