中国古代(周・春秋・戦国・秦・漢・・・・・)の楽器で「礼記」の礼器編に示されている。定められた音階の小鐘を一つの台に二段に分けて懸け打ち鳴らすもの。
十二個のものは十二律音階
十四個のものは七音階とその倍音
十六個のものは十二律と四清音
二十四個のものは十二律とその倍音
十二律音階の調律が困難なため本邦において製作された前例はない。
月名
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唐代律名
(日本所用)
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平調
五音
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平均律
近似値
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十一月
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壱越
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羽
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D
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十二月
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断金
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♭♯
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一月
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平調
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宮
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E
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二月
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勝絶
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F
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三月
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下無
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商
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♭♯
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四月
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双調
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G
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五月
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鳧鐘
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♭♯
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六月
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黄鐘
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角
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A
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七月
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鸞鏡
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♭♯
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八月
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盤渉
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微
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B
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九月
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神仙
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C
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十月
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上無
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♭♯
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(別記)
日光東照宮蔵の編鐘が日本唯一の遺例であるが、国産品ではなく請来物のようである。
正倉院鉄製方響(九枚の鉄片を残す、体源抄の記述によれば十六枚)や平等院雲中供養菩薩所持の編磬(十二個の磬石)や中国古代の王墓出土の編ちゅうや編磬と軌を一にするものである。
編鐘や編磬は周代以来、雅楽の楽器として使用されたものであるが、佛教が中国へ伝来してよりは佛教儀礼の楽器としても用いられるようになったのである。
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